終活という言葉が広く知られるようになり、現在では30代から終活を始める方も少なくありません。「終活=高齢者」というイメージがあるかもしれませんが、終活は年齢に関係なく「やっておこう」と思ったときがはじめどきです。
今回は、終活はなぜ早めにやっておいたほうがいいのか、その理由と具体的な終活の方法について紹介します。
■終活を始める時期に「早い」はない理由
自分が死ぬことについて向き合うことができる人は多くありません。ほとんどの人が、「死ぬのは高齢になってから」「病気になるのはまだまだ先」と考えています。
しかし、自分がいつ死ぬのか、いつ病気になるのか、本当のところは誰にもわかりません。いざというときは、明日来るかもしれないのです。また、年齢を重ねてからの終活は体力的にも大変なものになるでしょう。
後ろ向きな気持ちになってしまいそうで、終活と向き合えないという方も多いでしょう。自分が死んだあとのことを考えるというのは、若ければ若いほどなかなか気がすすまないものです。
ところが、若い年代でも終活を行うことで「あらためてこれまでの人生と向き合う」ことができ、前向きな要素も現れるといいます。
例えば、本当は目指したかったものを思い出したり、昔とった資格を思い出して活用できるようになったりと、現在の生活に使える情報が出てくることがあります。
終活を機に転職を考えた、生命保険の設計を考え直した、資産運用について考え始めたという方も少なくありません。年齢に関係なく、現在次のような悩みを抱える方に終活はおすすめです。
・持病やアレルギーがあり、緊急時には特別な処置が必要な方
・現在どのぐらいの資産があるのか、老後の資金は間に合うのか不安な方
・将来設計が曖昧で、このままの生活でいいのか疑問を持っている方
・遺影の選定や葬儀・お墓に対するこだわりがある方
・遺産の分配を決めておきたい方
■終活でやっておきたいこと
これらのことにあてはまる方は、できるだけ早い段階で終活をすすめていきましょう。ここからは、終活でやっておきたいことを紹介します。
・生前整理
粗大ごみやもう着用しない衣類など、現段階で必要のないものは生前整理として片付けてしまいましょう。処分するものの量が少なければ自分で処分し、量が多すぎる場合には生前整理業者に依頼し処分しましょう。若い方なら、生前整理というよりも断捨離と考えて自宅を整理してみてください。
・資産の洗い出し
現在の資産を全て洗い出してみましょう。そのうえで、どのように遺産を配分するべきなのか考え、遺言書を残しておくと安心です。預貯金、不動産、株式、生命保険、貴金属類など思い当たるものを記入し、何を誰に残したいのか考えてみましょう。
・延命治療や病気に関すること
自分の意識がなくなってしまったり、判断できない状況になってしまったりした場合、延命治療を行うのかどうかも書き残しておきましょう。脳死状態になったときには臓器提供を行いたい、意識がなくなったらなるべく延命はしないでほしいといったことです。
・葬儀やお墓に関すること
葬儀やお墓に関する希望があれば、そのことについても書き残しておきましょう。葬儀に参列してほしい方の名前や、葬儀はなるべく身内だけでしてもらいたい、理想の葬儀があればそれについても書いておくといいでしょう。
葬儀について、どうしても譲れない希望があれば生前に予約することをおすすめします。特に葬儀はなるべくひっそりと行ってほしいという希望は、親族によって土壇場で覆されてしまうことが多々あるからです。
お墓は生前に購入してしまうという手もあります。残される家族の手を煩わせたくないという方は、葬儀もお墓も生前に用意しておくと安心です。
■エンディングノートの活用方法
終活ではこのようにさまざまなことを行い、記録する必要があります。記録しておきたい部分については、エンディングノートを利用し情報をまとめて残しておきましょう。
特に記しておきたいのは、大切なものはどこにあるのか、持病で飲んでいる薬やいざというときの延命治療について、自分の死後に連絡してほしい方の連絡先などです。
ただし、遺産分割に関することはエンディングノートではなく遺言書として残しておきましょう。
作成したエンディングノートは、信頼できる一部の家族にその存在と在り処を伝え、どこかに保管しておきましょう。自宅の金庫や大切な書類をしまう定位置でかまいません。
銀行の金庫に預けてしまうと、死後に遺族がノートを取り出せない可能性がありますので注意しましょう。
■まとめ
終活をはじめてみると、現在の生活に必要のないもの、逆に大切にしなければいけないものが見えてきます。終活を始めるのに「早い」ということはありませんから、家族を持った時、子どもが巣立った時など、大きなライフイベントが起こった際にやっておくことをおすすめします。
終活中、自分の葬儀についてもしっかり考えておきたいと思うこともあるでしょう。そんな方には、生前から葬儀の契約をしておける葬儀会社がおすすめです。気になる方は、こちらhttp://www.osohshiki.jpをご覧ください。