昔とは違い、現代ではどこかのお寺の檀家になることも、信心深く何かの宗教に入信することも少なくなっています。お葬式といえば、僧侶が来て読経を行なうのが一般的ですが、無宗教の方の場合には、火葬のみで葬儀を行なわない、もしくは自由なスタイルでお葬式をする「自由葬」を行ないます。
ここでは、無宗教の方が行なう葬儀の種類や費用、メリットについて解説します。
■無宗教葬の種類と費用について
無宗教葬の場合、その種類も費用もバラバラです。故人がやりたいと言っていた葬儀をフルコースで行なう場合には、一般的なお葬式よりも高い費用がかかることもあるでしょう。中には葬儀に生演奏を呼んでほしいといった人や、友人たちを招いて豪華なパーティのようにお別れをしてほしいといった方もいます。
葬儀場にたくさんの花をおいたガーデン葬、思い出の写真をスライドで流すメモリアル葬といったものもあります。ただし、最終的に火葬しなければいけない点については、一般的な葬儀と代わりありません。
特段のこだわりもなく無宗教葬を行なう場合には、多くの葬儀会社で用意している自由葬プランを選択しましょう。葬儀は同じで読経だけいらないという場合には、一般的なお葬式の読経部分を抜くだけで良いかもしれません。
無宗教葬でなるべく安く済ませたい、という方は、火葬だけの30万円程度のプランがおすすめです。参列者も少ない家族葬で行なう時には、最低でも50万円からかかるでしょう。そこにオプションや演出を加えると、参列者の少ない場合でも100万円以上はかかってしまうことになります。
■無宗教葬のあまり知られていないメリット
無宗教葬最大のメリットは、なんといっても「故人の好きなスタイルで葬儀ができる」点でしょう。お坊さんの読経を聞く必要がないため、葬儀にかける時間内で友人や家族と語らうこともできます。
お葬式やお通夜でただ椅子に座ってお経を聞いているだけでは、故人との別れとしては不十分に感じる方も多いでしょう。しかし自由葬なら、お葬式の時間を有効活用し、ゆっくりと故人との別れを惜しむことができます。
用意された自由葬によっては、明るい雰囲気で暗い気持ちを吹き飛ばせるものもあるかもしれません。場合によっては、火葬を行なった後に海で葬儀を行ない、そのまま海洋散骨してしまうこともできます。
さらに、プロジェクターを使用したメモリアル葬もあります。思い出深い写真たちをスライドで映してもらい、大画面で堪能できるといったものです。
費用をなるべく抑えるようにできるもの、無宗教葬のメリットです。読経や戒名の必要がないため、仏教スタイルで行なう葬儀よりも費用が抑えられます。
一方、無宗教葬のデメリットは、お墓問題です。葬儀は無宗教、お墓には宗派があるとなると少し厄介でしょう。
葬儀の後、遺骨をこれまでの家族とお同じお寺にあるお墓に入れるのであれば、無宗教葬ではなく、お墓を管理しているお寺と同じ宗派で葬儀を執り行なったほうがトラブルを少なくできます。
・無宗教葬は仏壇がない
これはメリットにもデメリットにもなりますが、無宗教葬には仏壇がありません。そのためどこに向かって手を合わせれば良いのかわからない、お参りに来られても困ってしまうといった事態が起こってしまいます。
無宗教葬では位牌がありませんから、仏壇にこだわらず自分で祭壇のようなものを作ってもいいでしょう。ありとあらゆることに対し、これまでと同じようにしなくて良いのが無宗教葬の特長です。
■無宗教葬の法事スタイルは?
無宗教葬をとり行なった後の法事スタイルは、葬儀と同じく自由です。何回忌といった概念もありませんし、命日に集まる必要もないでしょう。法事自体を全く行なわないという方法もアリです。
それでも儀式的な法要を行ないたい方は、親しい人を集めて会食を行なうといいでしょう。会食時に故人への手紙を送ったり、黙祷をしたりする時間があると、より法事らしくなります。
今後法事を行なうのかどうか、葬儀の時点である程度決めておいたほうが良いでしょう。10回忌にあたる時までは行なう、3回目までは行なうなど、葬儀に参列してくれた人たちに周知しておけば、その後の連絡もスムーズになります。
■まとめ
近年増えつつある無宗教葬は、あらゆるスタイルに対応できるとても自由な葬儀でした。故人の意思を汲んで様々な演出を行なうこともできます。費用に関しては一概にいくらとは言えませんが、手をかければかけるほど高くなるのが自由そうです。
法事に関しても、無宗教葬には決まった形がありません。生前から法事はどのように何回してほしいのか、エンディングノートに書いておくと親切でしょう。
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