自分の死後、一人遺された妻にはどれだけの生活費が必要なのか、そして今の資産状況で妻は何不自由なく暮らしていけるのか、誰しもが一度はそんなことを考えたかと思います。
若い頃であれば大きな保障のある保険に加入することができましたが、年齢を重ねてからはそれも難しいですよね。ここでは、妻一人に必要な生活費とこれから加入するべき保険の保障内容について考えていきましょう。
■妻一人に必要な生活費
まずは妻一人に必要な生活費について考えてみましょう。ここでは、65歳からひとり暮らしをしているAさんを例にします。
65歳以上の女性にかかる生活費(例) | |
食費 | 30,000 |
住居費 | 30,000 |
光熱費 | 10,000 |
被服費 | 5,000 |
娯楽費 | 10,000 |
保険その他 | 5,000 |
医療費 | 3,000 |
交通費 | 5,000 |
その他 | 30,000 |
合計 | 128,000 |
(単位:円)
ご覧の通り、Aさんはほとんど贅沢をしていません。ごく平均的な出費内容といえるでしょう。交通費や娯楽費、被服費、光熱費などもできるだけ抑えていることがわかります。
それでも毎月13万円近い出費となってしまい、年金だけでは心もとない状況です。
Aさん自身、毎月の生活は大変でかつかつ、孫や子へのお祝いごとにする出費も難しいと感じていいます。
Aさんは生粋の専業主婦で、上乗せされる年金はありません。よってAさん名義で支給される年金は毎月7万円にも満たず、夫の遺族年金をあわせても月に15万円あるかどうかです。
Aさんのようにギリギリの生活になってしまうのではないかという方は、今すぐ老後の生活費の試算をしてみてください。毎月何にどれだけのお金がかかるのか、持ち家の方は固定資産税分を月平均になおしたり、定期的なリフォーム資金も資産に入れてたりしみましょう。
車を所有している方は、車税や車検代、ガソリンに任意保険料金も月額に平均して計算してください。意外にも大きな金額となり、焦ってしまう方もいるでしょう。
■今の保障で足りている?
毎月の妻の生活費を自分の死後にどこで補うべきでしょうか。iDeCoで今からつみたてるのも一つの方法ですが、わかりやすく生命保険で補填することもできます。
生命保険では、多くの場合働き盛りの若い頃の保障を手厚くし、子どもが巣立った後、老後を迎えた頃には保障も小さくしていきます。これによって、退職後でも小さな保険料で必要最低限の保障を守ることができるのです。
しかし、必要以上に保障を小さくしてしまうと、一人遺された妻が生活に困ってしまうかもしれません。もう一度、保険証券から保険内容を確認してみましょう。
・死亡保障が200万円程度しかなかった場合
死亡保障が200万円程度の保険だと、葬儀費用を賄っておしまいになってしまいます。一般的な葬儀の平均費用が200万円ですから、妻の生活まで考えられた保障とはいえません。
・死亡保障が500万円のとき
500万円なら、葬儀代を差し引いても300万円が残る計算となります。毎月の年金と遺族年金では足りない金額を補ったとして、300万円で何年間しのげるのか計算してみましょう。
毎月2万円足りない程度であれば、年間24万円ですから、12年間分の生活費をまかなえる計算となります。65歳から12年間、つまり75歳までの生活費です。
しかし、日本女性の平均寿命は80歳を超えていますから、これでも老後の生活費には足りません。
・死亡保障が1,000万円のとき
これだと800万円を生活費の補填とすることができます。同じく毎月2万円を補填するとして、約33年の生活費とすることができます。これでやっと平均寿命を超えました。
■保険の保障の考え方
このように、生活費から単純計算で保険の保障を決めることもできます。しかし、これでは無駄な保険料を支払うことになってしまう可能性もあるので注意したいとこです。
まず、生命保険の保障を上乗せする前に、妻一人で生活する際の生活費を削れないか考えてみましょう。車は売却して維持費を減らす、自宅も売却して維持費を減らす。これだけでも月にかかる生活費は変わってくるはずです。
その上で、生活費を補填できるものがないか考えなければいけません。高齢になってからの保険加入は保険料も高く、簡単に加入できないことも覚えておきましょう。もしまだあなたが若いのなら、個人年金保険に加入してもいいでしょう。
健康状態や既往症の有無によっては、加入を拒まれることもあります。今では持病を持っている方でも加入できる緩和型の保険がありますが、こちらは健康な方に比べて保険料が割高です。
毎月保険料を支払って保障の上乗せをするのか、保険料分を積み立て預金の増額をするのか、あらためて考えてみましょう。
■まとめ
自分の死後、妻が一人になってしまったときには、妻自身の年金に加え遺族年金を受け取ることができます。しかし、それでも2人で健康に暮らしていた頃の受給額よりも低く、妻はこれまでよりも苦しい生活を強いられるでしょう。
とはいえ、安易に保険に加入するのも考えものです。新規に加入するよりも、現在の保険の内容を見直したほうがいいかもしれません。まずは保険のプロに相談し、実際にその話を聞いてみましょう。老後のあらゆる不安、今のうちに解消しておきましょう。
保険に関するお問い合わせはこちらからどうぞ。https://www.hokengate.jp/